* - Story - *



ミルフェがこの街で過ごすようになってから、
半年が経ちました。

噂は瞬く間に広がり、
人手が足りなくなるほどです。

今日はシューがお店を手伝ってくれています。

店中に香る、お菓子のいい匂い。
ミルフェが店の奥でお菓子を作る間、
シューは店番をしています。


お客の評判も上々な様子、
お昼下がりも近づき、

甘く、香ばしい香りがお店の中を
包み込みます。

二人が取り組んでいる
新作のクッキーが焼きあがってきたようです・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ありがとうございました!」

「ふふふ」

「何笑ってるんですか?」

「シューくんも大分手馴れてきたね、
 最初どもってた時はどうなるかと思っちゃった」

「う、うるさいな。
 ボクにだって不得意な事ぐらいはありますよ。
 それより、クッキーの方はちゃんと焼けたんですか?」

「もちろん!
 味見していいよ?」

「ふん、そんなの、食べなくても匂いで味くらい解りますよ。
 美味しそうだ、ってことぐらい」

「ええそんなことないよ、食べてみないと解らないよ、ほら」

「ちょ、もう少し冷めてからでいいじゃないですか、
 猫舌なんですから僕」

「ふーふーして食べたら?」

「嫌ですよ!みっともない」

「もーそんな事言ってばっかり。  いいよ、わたしがふーふーしてあげるね」

「え、ちょ」

「ふーふー」

「・・・・」

「はい、どうぞ」

「そ、そんなことしてくれなくてもですね。
 それに!人の息がかかったものなんて、汚くて食べてられないですよ」

「ガーン!!失礼なの!」

「何がですか、あなたが頼んでもいないのに勝手に
 息かけちゃったんでしょうが」

「う・・・さ、冷ましてあげようと」

「それなら仰げばよかったのに」

「う・・・その通り」

「じゃ、それ、僕はいらないんで」

(カララーーーン)

「ちょっと待ったああああ」

「!?」

「!?」

「お嬢さんのクッキーは、俺様が頂くぜ!」(キラッ

「は、はあ!?」

「え?え!?」

「俺様の事を覚えてないなんて、つれないなァHoney☆」(発音ははぅあにー↑的なチャラ)

「え、えーとお客様、ですか?」

「Yes!!That's light!!流石俺様のHoneyだぜ」

「ポカーン。は。
 ちょ、ちょっとあなた何なんですか!
 いきなりミルフェの事をは、は、は、ハニーだなんて!」

「ン?なんだい居たのかBoy。
 君には特に用がないんでね、邪魔しないように奥に引っ込んでな」

「はぁそうですか、って下がる訳ないでしょ。
 僕は、今日はここの店員なんですから」

「店員?お前が?」

「ええ、そうですよ。臨時店員のシューと言います。
 お客様はずいぶん、ミルフェに慣れ慣れしいんですね」

「あわわ、シューくん失礼だよう・・・」

「客に向かって慣れ慣れしいとは、態度がなってないな。
 フレンドリーと言ってもらおうか」

「フレンドリーかつ馴れ馴れしく無礼感たっぷりのあなたは
 何様とおっしゃるのでしょうか?」

「しゅ、シューくん;;」

「よ、く、ぞ、聞いてくれた!
 俺様はブラウニー。ミルフェのHeartを奪いに来た」

「・・・・はぁ?」

「はへ?」

「そう、これは一目ぼれ!
 そう、これは恋!
 更にぶっとんで愛!I Love you!!」

「え、えーと」

「ナルホド。つまりは、
 一目見ただけで思い込みってやつですね。
 全く、困った客もいたもんですね。
 そういうの、世間一般ではロリコンって言うんですよお兄さん」

「ええ!?ロ、ロリ!?」

「ハハ、誤解してくれるなよ。
 俺様が見ているのは未来のミルフェの姿だ」

「ハァ?」

「解るだろ。朝、焼きたてのパンと取れたてのミルク、
 そしてベーコンと目玉焼きの織り成すハーモニー。
 そこに登場するミルフェ。

 ア・ナ・タ、起きて朝よデザートは
 甘いケーキに口づけ(はぁと」

「ザワ・・・
 そんな未来僕が潰してくれる!」

「しゅ、シュー落ち着いて」

「ミルフェは黙っててください!
 とにかく、このクッキーは僕が食べるんで!」

「おっと待った、それなら俺様と勝負だ。
 150個このクッキーを平らべたら、俺様の勝ち。
 食えないならミルフェは俺様が頂くし、
 そのふーふーされたクッキーも俺様が頂く。
 Do you see?」

「あくまで引く気はないということですね・・・、
 その勝負受けさせて頂きますよ!僕は負けない!」

「あ、あうあう。た、足りないよう早く焼かなきゃ」

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ミニゲーム

ミニゲーム終了:

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「Goddam!!Reary!?
そんな馬鹿な、俺様が負けるだなんて・・・!」

「この勝負、僕の勝ちですね。
 さあ、潔く諦めて引き下がってくださいよ。さあ」

「ふ・・・
 ハッハッハッハッハ!!」

「何がおかしいんですか、
 気でも狂ったんですか」

「誰が引き下がると言った?」

「ハ?」

「この勝負はお預けだ、
 後日出直してくるまで首を洗って待っていろ!」

「頭が悪いのか、往生際が悪いですよ」

「Shut up!
 未来のMy bride。
 今はまだ俺様の愛を受け入れることが出来ないだろう、
 だがししかし!
 時は二人の距離を縮めるために存在するのだよ
 
 ハッハッハッハッハ!!
 時が熟すその時まで・・・アディオス!」

「なんだったんだ、今の客」

「・・・さあ?」





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