* - Story - *



今日は一段と空気の冷たさを感じる朝。

冷えた空気が一層鮮やかな朝焼けを映えさせ、

涼しげな音色が何処からともなく聞こえてくる。

そんな夜明けと共に、
ラ・フィルレの一日が始まります。

いつもと変わらず、
お店の仕込みを夜が明けた頃から始め、
開店前には色とりどり艶やかなほのかに良い香りのするスイーツを並べ終える・・・

それは、いつもと変わらない朝のはずでした。
ショコラが息を切らして店に飛び込んでくるまでは・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ありがとうございました!
 ふぅ、疲れちゃったね。
 もう少しでお昼だし休憩にしようか」

「わんっ」

カランカラーン

「ちょっと!!大変よ!!!」

「わ!ショコラさん?
 どうしたの?」

「何ボケたこと言ってんのよ!
ミルフェの店と同じメニューがこの店に並んでるのよ!」

「え?
 <お待たせしましたロベリーショップ新装開店>?」

「形も風味も色も全部同じ。
 レシピが同じとしか思えないわ!」

「え、え。でもこの店のメニューはわたしが考えたもので」

「レシピ。どこ?」

「レシピは・・・確かこのあたりに。・・・あれ?
 れ、れ、れ、レシピがなくなってる〜〜〜!!!」

「えええ、どこにやったのよ!」

「ええ、と。確か。レシピの数が増えてきたからノートを分けて。
 古いレシピノートは店に閉まって・・・。
 あ」

「あ?」

「そういえば、一度だけ、
 トイレ貸してくださいって言われて、
 奥に案内を・・・」

「エエエ!?お客を一人奥に置いてレジに戻った!?」

「だって、凄く混んでる時間帯で、早くなんとかしなきゃって思って」

「ば・・・バカ!」

「ふぇえ、だ、だってぇ。・・・あれ?」

「今度は何?」

「この絵の子、なんだか見覚えがあるような、ないような」

「はっきりしなさいよ」

「ううんと。なんだろう。思い出せない」

「こうなったら、殴り込みよ!」

「だ、だだめだよう、そんな、証拠がないのに」

「証拠ならあるわよ!
 見た目と味が同じ!」

「(ちょっと、強引じゃないかな)」

「いいから行くわよ!」


・・・・・・

<シーン切り替え:ロベリーの店>



ラ・フィルレに
ロベリーが訪れてから立つ妙な噂。

(このへんミルフェとプティの会話で、
飢えていた誰かを助けた的な流れ)

店に息を切らして飛び込んでくるショコラ。
その手には新装開店のビラ。

「何ボケたこと言ってんのよ!
ミルフェの店と同じメニューがこの店に並んでるのよ!」

盗まれた人気レシピのお菓子がそのまま
ロベリーの店の店頭に。

レシピをかけた勝負。
ロベリーがどうしても勝ちたかった理由とは?




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